ゴルフでの「誤球」。
その言葉の意味を知らない人でも、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
「あれ?このボール、私のじゃない…」
そんな瞬間に遭遇した時、適切な処置を知らないと大変なことになるかもしれません。
実は誤球のペナルティや新ルールは、近年に大きく変わっています。
プロゴルファーですら経験するこのトラブルですが、知識があれば簡単に防ぐことができるんです。
この記事では、誤球の基本的な定義から具体的な防ぐコツまで分かりやすく解説していきます。
これを読めば、もう誤球に慌てることはありませんよ!
ゴルフで誤球とは?|基礎知識編

ゴルフには様々なルールがありますが、その中でも「誤球」は意外と見落とされがちなポイント。
バンカーやラフなど、ボールが見えづらい場所での判断を誤ると大きなペナルティを受けることになります。
ここでは誤球の基礎知識について、実際の現場で役立つ情報をお伝えしていきましょう。
誤球とは?読み方は?
「誤球(ごきゅう)」という言葉、ゴルフを始めたばかりの方には少し難しく感じるかもしれませんね。簡単に言うと、他人のボールを自分のものと勘違いして打ってしまうことを指します。
誤球が起こりやすい状況というのが、実はいくつかあるんです。
特に多いのは、深いラフに入ったボールを探している時。
草むらの中で「あ、見つけた!」と思って打ったボールが、実は他の人のだった…なんてことは珍しくありません。
バンカー内でも要注意です。
砂に埋まってしまったボールは、確認が難しいものです。
同じメーカーのボールを使用している人が多いので、番号やマークを確認せずに打ってしまうと、誤球につながってしまいます。
また、意外と多いのが隣のホールからのボール。
フェアウェイを外れたボールを探していると、隣のホールから打ち込まれたボールと混同してしまうケースもあるんです。
何罰打のペナルティになる?
誤球のペナルティは、プレー形式によって変わってきます。
通常のストロークプレー(メダル戦)では2打罰。
マッチプレー(ホールマッチ)の場合は、そのホール自体が負けになります。
ここで大切なポイントがあります。
誤球で打ったショットは、一切スコアに入らないんです。
つまり、誤球に気づかずに3回も4回も打ってしまっても、ペナルティは2打だけ。3回打ったから6打罰…なんてことにはなりません。
たとえば、2打目で誤球をして、そのまま3打、4打と続けてしまった場合。気づいた時点で元の場所に戻り、2打目からやり直すことになります。
このとき、誤球のペナルティ2打が加算されるので、やり直しの打球が4打目ということになるわけです。
誤球をしてしまった時の処置とされた時の処置

誤球をしてしまった場合の対処法は、意外とシンプル。
まずは落ち着いて同伴者に報告することが大切です。焦って隠そうとすると、かえって状況が複雑になってしまいますからね。
正しい手順としては、元の位置に戻って自分のボールでプレーをやり直します。
このとき、元の位置が分からなくなってしまった場合は、周りのプレイヤーと相談しながら、できるだけ正確な位置を特定するようにしましょう。
反対に、自分のボールを他の人に打たれてしまったら?
この場合は、元あった場所にボールを戻してプレーを続けます。
このとき、ペナルティは一切ありません。
ただし正確な位置が分からない場合は、周りと相談しながらできるだけ元の状態を再現することが大切です。
新ルールの変更点
2019年からゴルフのルールが大幅に改正され、誤球に関する規定もより分かりやすくなりました。
以前は場所によって罰則が異なっていましたが、現在は統一されています。
特筆すべき変更点は、バンカーやペナルティエリアでの誤球の扱い。
以前はこれらの特殊な場所では誤球のペナルティが免除されることもありましたが、現在は場所に関係なく2打罰で統一されました。
また、ボールの確認方法も大きく変わりました。
以前は同伴者の立ち会いが必要でしたが、現在は自分で確認することができます。
ただし、確認のためにボールを拾い上げる場合は、必ずマークをしてから行う必要があります。
確認が終わったら、元の位置に正確に戻すことも忘れずに。
プレー中に少しでも不安を感じたら、遠慮なくボールを確認する習慣をつけることをおすすめします。
ゴルフで誤球とは?|さらに詳しく

誤球に関する知識は持っていても、実際の状況で正しく判断できるかどうかは別問題です。
ここからは、トッププロが経験した具体的な事例や、誤球によって引き起こされた思わぬ展開など、より実践的な情報に踏み込んでいきます。
誤球に遭遇した時のために、しっかりと心に留めておきましょう!
そのままホールアウトしたら?
誤球に気づかずにホールアウトしてしまった場合、その後の展開に要注意です。
ゴルフは自己申告が基本のスポーツですが、誤球に関しては特に厳格なルールが設けられています。
仮に誤球が発覚せずにホールアウトした後、次のホールでティーショットを打ってしまうと、即座に競技失格となります。
また、最終ホールで誤球をした場合は、スコアカードを提出する前に訂正しないと同様に失格となってしまいます。
実際にこんな事例もありました。
2024年に行われた女子ツアーのとある大会で、暫定球を1球目と誤球してホールアウトしてしまい、失格となったプロがいたそうです。
ちょっとした確認不足が、競技実績にも関わる重大な結果を招くことになりかねないんです。
誤球はプロでもする?
「プロなら誤球なんてしないだろう」と思われるかもしれませんが、実はトッププロでも珍しくない出来事なんです。
記憶に新しいところでは、2025年1月のザ・セントリーで起きた出来事。
ウィル・ザラトリスとキャメロン・デービスという2人のトッププロが、15番パー5で互いのボールを打ち合ってしまいました。
グリーン上で誤球に気づいた2人は、それぞれ2打罰を受けることに。
この誤球により、ザラトリス選手は約2,000万円、デービス選手は約5,200万円もの賞金を逃す結果となってしまいました。
日本のトッププロも例外ではありません。
2018年のダンロップフェニックスでは、松山英樹選手と星野陸也選手が同じような誤球を経験。
2人とも同じスリクソンのボールを使用していて、ラフに入ったボールを見間違えてしまったそうです。
松山選手にとっては人生初の誤球だったとか。
まさにプロでも油断できない一面を見せつけられた出来事でしたね。
さらに衝撃的な事例として、2022年の韓国女子プロゴルフ界では、19歳の新星ユン・イナ選手が誤球をした後、その事実を約1ヶ月間も隠し続けるという事件も。
結果として3年間の出場停止処分(後に1年6ヶ月に短縮)という重い処分を受けることになりました。
誤球を防ぐコツ

誤球を防ぐためのポイントは、実はいくつかあるんです。
まずは自分のボールに、しっかりとした「個性」を持たせることから始めましょう。
単純な線だけでなく、イニシャルや星マーク、ハートマークなど、他の人とかぶりにくい印をつけることをおすすめします。
特に暫定球を打つ際は、必ず番号の違うボールを使用するようにしましょう。
雨の日はマジックの印が消えやすいので、番号での区別は非常に重要です。
また、ラウンド開始前の同伴者とのボール確認も大切なポイント。
人気のあるブランドのボールを使用している場合は要注意です。
特に競技ゴルフなんかでは、「タイトリスト」や「スリクソン」など、同じメーカーのボールを使用する人が多いです。
スタート前に「私はこういうマークをつけています」と共有しておくと安心ですね。
そして意外と見落としがちなのが、フォアキャディさんの情報を鵜呑みにしないこと。
2024年の国内男子ツアーでは、フォアキャディさんの案内を信じて誤球をしてしまい、優勝争いから脱落してしまった選手もいます。
といっても、フォアキャディなんてプロやトップアマの世界の話なんで、我々にはあまり関係ないか(笑)
まとめ:ゴルフの誤球とは?
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。