まいど!
おやじのゴルフマガジン編集長の「たいしょー」です。
「スイングはクラブを寝かせない」みたいなことを聞いたことありますか?
もしくは習っているインストラクターから言われたことはないでしょうか?
「クラブが寝る?俺が寝るのは美女とだけさっ!」
なんて「スペース・コブラ」のようなセリフで余裕こいている、そこのあなた!
本当にだいじょーぶですかぁ??
クラブが寝ている人でゴルフが上手な人は、ひとりもいません。
プロゴルファーであれば、どんなにフラットなスイングに見えても100%クラブは立っています。
そう、100%です!!
今回は「クラブを立てる」意味を理解するのに3年もかかった私の経験談を交えながら、このスイングのキモとも言える部分をお伝えしていきましょう!
「クラブが寝る」の本当の意味
「クラブが寝る」、もしくは「シャフトが寝る」の本当の意味って何でしょう?
まぁ、字面から何となく「フラットに振っているスイングのことなんだなぁ」と思われる方も多いでしょう。
私も若い頃はそう思ってました。
「セルヒオ・ガルシア」が来日した当初のスイングを見て、「あぁ、シャフトを寝かせて打つタイプの一流プロもいるのか!」と衝撃を受けたものです。
もし目の前にある机の引き出しがタイムマシンならば、今すぐ当時の自分のもとへ行き、横ツラを引っ叩きながら「ぜんっぜん、ちがーーーうっ!!」と伝えてやりたい。
むしろガルシアのスイングは、どのプロゴルファーよりもビンビンに立っているのですっ!
話を元に戻しましょう。
クラブを立てるとはクラブヘッドをオンプレーンに乗せるという意味なのです。
シャフトをオンプレーンに乗せるという意味ではありません。
しつこいようですが、クラブヘッドをオンプレーンに乗せるという意味なのです。
もっと言えば、ダウンスイングからインパクトゾーンまでのクラブヘッドをオンプレーンに乗せるようなクラブの動きを「クラブが立つ」と表現するのです。
だから極端なことを言えば、テイクバックを思いっきりインサイドに寝かせて上げようが、ダウンからクラブヘッドがオンプレーンになれば、それは「クラブが立ったスイング」と言えるのです。
しかしそれだと再現性が低いから、「なるべく早い段階のテイクバック時点からプレーンに乗せましょうね」ということ。
先ほどの昔のガルシアのスイングで言うなれば、トップからダウンに入る瞬間、シャフトがほとんど真横に寝たまま降りてくる。
しかし手元が9時のあたりから、一気にシャフトを起こすようにしてクラブヘッドをオンプレーンに乗せてくるのです。
あまりにもダウン開始のフラットなシャフトの角度が印象的すぎて、素人目には「クラブを寝かせたスイング」と写ってしまう。
しかし肝心なのは手元が9時からの動き。
この瞬間は、他のどのプロゴルファーよりも急激にシャフトを立て、クラブを前倒しさせているんです。
上の動画ではまだマイルドですが、20歳前後の当時のガルシアはこれがもっともっと顕著にあらわれていたんです。
本質的にはこうです。
クラブ(シャフト)を立てるとは、ダウンからインパクトまでにクラブを前倒しにひっくり返すこと。
こうするとクラブ(シャフト)が垂直方向へ起き上がってきます。
この動きを「クラブ(シャフト)を立てる」と昔のゴルファーは表現していたと思うんです。
さあ、ここまで来れば「クラブが寝る」の意味はもうお分かりですね?
そう、「クラブが立つ」の反対の動きのことを指すんです。
まとめるとこうなります。
【クラブが寝るとは】
インパクトゾーンの直前でクラブをひっくり返すことができずに、クラブヘッドがスイングプレーンの下側を通ってしまう悪いスイング
では何でクラブが寝るとダメなのか。
その理由について次の章で解説していきましょう!
クラブが寝ることのデメリット
これまでの経験で、クラブが寝たスイングをしたときに起こったマイナスポイントを7つ紹介しましょう。
あらためて思い直したら、多岐に渡りデメリットが多すぎてビックリです!
球が捕まらない
まずは「球が捕まらない」という症状に悩まされます。
なぜシャフトが寝ると球が捕まらなくなるのか?
それはこれらの要因が考えられます。
・クラブが振り遅れやすくなり右に行く
・オンプレーンよりクラブヘッドが下を通ることによりトゥダウンしてフェースが右を向く
・インパクトでコックがほどけやすく、これまたトゥダウンの要因になる
・インパクトゾーンでコックではなく右手の甲が折れるヒンジの動きになりフェースが開く
ざっと考えても、フェースが開く要素が満載ですな!
だからボールが捕まらなくて当たり前なのです。
適正なスピンがかからない
適正なスピンとは、その番手に応じたバックスピン量のこと。
クラブが短くなっていくほどスピン量は多くなります。
シャフトが立ってインパクトすることができれば、ボールがフェースのスコアラインをしっかり駆け上がっていく感覚が得られるんです。
これは特にアイアンショットで顕著。
「クシャッ!」という何ものにも代えがたい手ごたえがあり、正しいスイングをした結果なのか、不思議とフィニッシュもピタリと決まるのです。
シャフトが寝てインパクトをしてしまうと、この気持ちよさを味わえない。
真っ直ぐな順回転のスピンにならず、どちらか左右にヨレた気持ち悪いスピンになってしまうんです。
シャンクが出やすい
クラブが寝て入ると、インパクトゾーンで手元がボール寄りにズレやすくなります。
または上方へ浮きやすくなります。
このズレが大きくなってくると、ネックがボールにヒットしてシャンクが出るようになるんです。
飛距離が出ない
まぁ、これまでのデメリットで出てきたような「球が捕まらない」「横スピンがかかる」からして、飛距離が落ちるのは言うまでもありません。
さらに飛ばなくなる原因として、
・クラブヘッドがプレーンから外れ遠回りすることでヘッドスピードが落ちる
・クラブヘッドの落下重量を最大限利用できないのでパワーが伝わりにくい
・シャフトの引き(しなり戻り)を最大限使えないのでクラブ性能をフルに活かせない
このようなことが考えられるのです。
アイアンが下手になる
まぁ、ドライバーで高いティーアップして横から振り回せば、ホールによってはゴロゴロとランの出るドライブは放てるかもしれません。
がしかし、アイアンショットではこうは行きません。
アイアンショットにはランは不要。
キャリーでしっかりと番手ごとのピッチ(間隔)を出さなくてはならないのです。
それには、フェースを真上に駆け上がっていくようなインパクトを可能にする、クラブが立ったスイングを身に付けるほかはありません。
バンカーが上手く打てない
バンカーショットは、エクスプロージョンが基本。
ウェッジのソール部のバウンスを砂に叩きつけて、砂を爆発させてボールを宙に浮かせるんです。
これがシャフトが寝るような横振りスイングでは、なかなか思うように砂は爆発してくれません。
特に目玉ぎみに砂に潜ったライや、アゴが高い状況などは、1発での脱出はあきらめたほうがよいでしょう。
ディボット跡やベアグラウンドに弱い
ディボット跡やベアグラウンドなど、ボール下のライが悪い場合はシャフトを寝かせて払い打ちしたほうがいいと思いませんか?
実は私も昔はそう思っていました。
しかし実際のところは、この逆なのです。
シャフトが寝ると、手元が浮いたり、余計なトゥダウンをおこしてダフリやすくなります。
よっぽどボールを右足寄りに置かないかぎり、リーディングエッジが砂に突き刺さるようなことはありませんので安心してください!
だからフェアウェイバンカーなど「絶対にダフリたくない」ときこそ、クラブを立てたスイングをするべきなのです。
まとめ
今回は、スイングでクラブが寝ることのデメリットついてお伝えしました。
はっきり言って、アベレージ90台くらいのゴルファーでシャフトが立ったスイングをしている人は多くありません。
だからこそ、今のうちにこのスイングの核とも言える「クラブを立てる」動きをマスターしてしまいましょう!
そうすれば、あなたのゴルフライフは「勝ち確(勝ちが確定するという意味)」間違いなしデス!
このブログでは、シャフトを立てるためのヒントになる記事を他にも用意しています。
是非これらもあわせてお目通しいただますと幸いですm(__)m