ゴルフスイングをトップで止める5つのメリットと6つのデメリット!

スイング
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まいど!
おやじのゴルフマガジン編集長の「たいしょー」です。

あなたのスイングはトップを止める派ですか?止めない派ですか?
ここは大きく意見が分かれるところだと思います。

トップで止まるように見える代表的なプロといえば、松山英樹選手と宮里藍選手でしょう。
両選手ともに桁違いの成績を残しているトップぷろですが、我々一般のアマチュアゴルファーに真似できるものなのでしょうか?

私は今ではトップで止めない(トップを作らない)スイングになっていますが、昔はトップでピタリと止めたスイングをしていました。

今回は、そんな私が体験したトップで止めるメリットとデメリットのお話をさせていただきたいと思います。
どっちのタイプのスイングを目指すか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください!

トップが止まる5つのメリット

まず最初は、トップで止めるメリットからご紹介していきましょう。
個人差があるので全ての人に当てはまるかどうかは分かりませんが、私の経験上、強く記憶に残っているものはこの5つです。

スイングを作りやすい

一番強く感じたメリットはコレ。
スイングを作りやすいということ。

どういうことかと言うと、スイングの中間地点にゴールがひとつあるということです。

まずはスイングの前半として、テイクバックで目指す形のトップまで持っていくことだけを考えればいい。
スイングの後半は切り返しのアクションをスタートとして、目指すフィニッシュの形まで持っていけばいい。

そう、平たく言えばスイングを前半・後半にセパレートすることができるんですね。
それゆえスイングパートごとに切り分けてイメージしやすく、その部分に特化したドリルも起用しやすいんです。

だから鏡の前に立って、「トップの位置はここ」という感じのシャドウをよくやりました。
このように目指すフォームを静止した状態で可視化できるのは、スイング作りにとって大きなメリットとなるのです。

フェースの向きを管理しやすい

次に大きなメリットと感じたのは、フェースの向きを管理しやすいということ。

ゴルフを難しくさせている要素のひとつに「フェースコントロール」が挙げられます。
特に切り返し前後は一番フェースの向きが変化しやすいフェーズです。
この区間でフェースの向きが暴れてしまうから、我々アマチュアゴルファーは色んなミスを誘発してしまうのです。

しかしトップで一度止めるということは、ここで一旦クラブの動きをリセットできるということ。
ならばこれを利用しない手はありません。

鏡を見ながらでもビデオを見ながらでもいいですが、ダウンスイング開始時の理想のフェースの向きを作り込む。
そしてその形のトップになるまで、ひたすら練習すればいいのです。

始動からフィニッシュまで止まらないワンピーススイングでは、こうは行かないですからね。

ダウンスイングでシャフトが寝にくい

トップで止まるゴルファーは、シャフトが立って下りてくるスイングタイプが多いです。
止まったトップから、遠回りすることなくヘッドがインパクトまで下りてくる感じ。

だからトップが止まるタイプには、今流行りのシャローイングのようなスイングは相性が良くありません。
それはシャローイングは切り返しで背中側にクラブを落下させるようにして、重力を最大限に利用したスイングだからです。

トップで止まってしまうとそれまでの慣性の力もリセットされてしまいます。
なので、トップからの短い助走距離ではシャローイングのメリットが半減してしまうのです。

逆に言えば、シャフトを立たせたスイングタイプを目指す方には好都合。
トップからスムーズにアームローテーションを使って、最短距離でヘッドをボールにぶつけることができるのです。

ターフをしっかり取っていくようなダウンブローを目指すなら相性が良いでしょう。

ヘッドアップしにくい

ここは個人差が出るところですが、私はトップで止めるスイングのほうがヘッドアップしにくかったです。

トップで止まらないワンピーススイングだと、常に身体とクラブが動き続けています。
そうなるとクラブがダウンで下りる動きにつられて、アゴも飛球線方向に傾いてしまいやすいのです。

しかしトップで一旦止まることができれば話は変わってきます。
「切り返しは上半身の形をキープしたまま下半身だけターンさせる」
このように冷静に考える「間」が生まれ、アゴが飛球線方向に持ってかれることがありませんでした。

フィニッシュをピタリと決めやすい

トップで止まるタイプのスイングは、全体的に暴れることが少なくなります。
だからフィニッシュでも、形を作ったかのようにピタリと決まりやすくなるのです。

もちろん松山選手のように、トップでピタッ、フィニッシュでピタッ、とはいきませんが、アマチュアでもある程度落ち着いたスイングになりやすい特徴があるのです。

始動から慣性と重力を最大限に利用するワンピーススイングではこれが難しい。
一旦動き出したらどんどん勢いがついていくので、途中からの修正は容易ではなく、大きくフィニッシュを崩してしまうこともままあるからです。

トップが止まる6つのデメリット

さて、一通り思いつく限りのメリットをお話したところで、今度はデメリットに焦点を当ててみましょう。

クラブがアウトサイドから下りやすい

上級者を除くアマチュアゴルファーでトップが止まる人は、総じてアウトサイドからクラブが下りてきやすくなります。
それは切り返しで下半身をターンさせるときに、上半身も一緒につられてターンをしてしまうから。

そうなると右肩は被ってきて、アウトサイドインのカット軌道となってしまうのです。

上半身がクローズに残ることで、お腹の前にクラブを下ろしてくる空間(ふところ)がうまれます。
この「ふところ」の作りやすさはワンピーススイングに分があると言えるでしょう。

トップで止めた上半身をそのままに、下半身だけ目標方向へ回転させるのは相当な練習量を必要とします。
松山選手のようにピタリと止まったように見えるトップを目指すなら、それなりの覚悟でのぞみましょう!

飛距離が落ちやすい

これも先ほどの「上半身が一緒にターンしてしまう」ことによる弊害です。

飛距離を伸ばす大きな要素のひとつに、上半身と下半身の捻転差があります。
切り返しから先行して回転を始めた下半身をインパクトゾーンで上半身の回転が急激に追い越す。
この上下のコンビネーションが大きな回転力を生むのです。

例えば「動く歩道」。
エスカレーターの水平版みたいなやつですね。

この動く歩道の上を歩いたら、普通の地面を歩くよりはるかに速く歩くことができますよね。
スイングで言えば動く歩道が下半身、その上を歩く自分が上半身にあたるのです。

そんなことから、上半身と下半身が一緒にターンを始めてしまいやすいツーピーススイングは、飛距離が落ちてしまう危険性をはらんでいるのです。

シャフトクロスしやすい

ゴルフの動きの中で何が難しいかと言えば、静止した状態からの始動です。
だからテイクバックの上げ方でナーバスになることが多い。

トップでピタリと止まるということは、スイングの中間地点にも2つ目の始動を作ってしまうということ。
そんなデリケートな場面では、器用で動かしやすい箇所が最初に反応しやすくなります。

その代表格が、右手の親指人差し指
この良くも悪くも繊細な2本の指が、クラブを立たせようとするんです。

オンプレーンに作り上げたトップからクラブが立ってしまうと、それはシャフトクロス。

練習場でトップが止まる一般ゴルファーの切り返しを良く見てみましょう。
けっこうな確率で「ピクッ」とクラブが立ってからダウンスイングに移っているかもです。

強いフィジカルが必要

トップで止まるということは、その位置まで自力でねじ上げる必要があるということ。
これにはなかなかの筋力を必要とします。

クラブの位置を時計でいうところの11時~12時あたりまでひねり上げる上半身の筋力。
それをスウェーしないでしっかり受け止める下半身の筋力。

これらが備わっていなければ「止まるトップ」の恩恵にあずかることはできないのです。

私が止まるトップをやめたのは、まさにこれが最大の理由。
そこまでの筋力を維持していくのは年齢的にキツイのです。

おまけに出てきたお腹周りが、一層これを困難にさせるのです。

動き続けるワンピーススイングでは、バックスイングでクラブが9時の位置あたりで下半身を切り返します。
あとは惰性で10時から11時あたりまで勝手にクラブが上がっていく。
こうすることで筋力に頼ることなく深いトップが実現できるのです。

松山選手のような強いフィジカルをお持ちならいざ知らず、私のようなメタボオヤジゴルファーなら「止まるトップ」はちょっとおススメできません。

柔軟性が必要

先ほどの強いフィジカル同様に、自力で深いトップを作るにはそれなりの柔軟性が必要となってきます。

若い世代のゴルファーや女性ゴルファーなら苦にならないトップポジションでも、私は3秒止まったら軽く目まいがしてきます。

宮里藍選手のような柔軟性をお持ちならいざ知らず、やはり私とご同輩のゴルファーにはおススメしかねます。

リズムが三拍子になる

最後はメリットともデメリットとも言えないリズムのお話。
これは個人で好みが分かれますからね。

トップで止まる瞬間があると、
・バックスイングの始動で「1」
・トップで「2」
・ダウンスイングの開始で「3」
と、三拍子のスイングリズムになります。

これで問題ない方はデメリットにはならないのですが、私個人にとっては大きなデメリット。
それは、スイングリズムは二拍子が最適と思っているからです。

なぜなら二拍子は歩くリズムと同じだから。
普段から慣れ親しんでいるこの歩行リズムは、人間にとって最も自然なテンポと思うんですよね。

まとめ

さてさて、今回はちょっと長くなりましたが「止まるトップ」についてメリットとデメリットを、私の実体験をもとに語らせていただきました。

好みと言えば好みの問題なので、余計なお世話かもしれませんね。

しかし今回の記事が、
・これからスイングを作っていこうとしている
・現在リズムやテンポで行き詰っている
こんなゴルファーの方に、少しでも解決策のヒントとなってくれれば嬉しいです。