まいど!
おやじのゴルフマガジン編集長の「たいしょー」です。
「最近なんかスライス出るな~。これシャフトが合っていなのかも?」
こう感じたことはありませんか?
知り合いの上級者からも、
「それシャフトが合っていないよ」
と言われた方も多いでしょう。
一見、言い訳にもとれますが、実はそうでもありません。
シャフトが合っていなくてスライスしてしまうことは珍しいことではないんです。
今回は、何故シャフトの硬さが合わないとスライスしてしまうかをケース別にお話させていただきます。
最後に私なりのシャフト選びの基準もご紹介させていただきますので、ご興味のある方はぜひお立ち寄りくださいませ!
スイング中にシャフトがしなる意味
我々アマチュアゴルファーが、シャフトの硬さが合わないために起きるスライスの要因は主に2つあると考えています。
それは単純に、「硬すぎてスライスする」「柔らかすぎてスライスする」という対極の原因によるものです。
つまりは、自分に最適でない硬度を使った場合ということ。
大袈裟にいうと、シャフトはスイング中に3回しなります。
テイクバックの始動で1回目、切り返しで2回目、そしてインパクトゾーンで3回目です。
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大事なのは、2回目のしなりと3回目のしなりです。
切り返し時に起きる2回目のしなりで、そのシャフトが持つ最大のしなり量が決定します。
そしてインパクトゾーンで起きる3回目のしなりで、切り返しで起きた分がしなり戻るのです。
イメージで言えば、2回目のしなりで作ったパワーを、3回目のしなりでボールにぶつけるという感じでしょうか。
かと言って、シャフトのしなり量が多いほどボールにパワーを与えられるわけでは無いのがシャフト選びの難しいところ。
むしろ、シャフトのしなり量がスイングに与える影響が大きいのは「タイミング」なのです。
ハードヒッターが硬いシャフトを選ぶ傾向にある理由は何か?
ハードヒッターは、腕の振りも体の回転も速いです。
だから柔らかいシャフトではシャフトがしなり過ぎてしまい、自分の最大のスイングスピードを出せなくなってしまうのです。
シャフトがインパクトで戻ってくるまで、体が待たないといけなくなるのですね。
そこで硬くて速いシャフトを選ぶとどうなるか?
切り返しでの2回目が、大きくしなり過ぎることがなくなり適正になります。
3回目でシャフトが戻ってくるスピードも速いので、インパクトで体を待たせる必要がなく、フィニッシュまで高速で回っていくことができるようになるのです。
細かく言えばとても複雑なシャフト選びですが、大まかにはこんな感じで自分に合ったシャフトを見つけていく流れになります。
シャフトの硬さが原因でスライスになる2つの原因
それでは次に、シャフトの硬さが影響してスライスになるのは、何が原因となっているのでしょうか?
症状別ごとに少しだけ掘り下げてみましょう。
シャフトが硬すぎてスライス
シャフトが硬すぎてスライスするのは、多いのはシャフトの硬さに対してヘッドスピードが足りない場合です。
「ボールを捕まえる」には、3回目に起きるシャフトのしなり戻りが必要です。
スイングスピードが足りないと、ここが発生しないのです。
ほとんど「棒状」となったシャフトでは、球を捕まえることが出来ずに右に飛んでいきます。
これを敏感に察知したゴルファーは、インパクトでフリップしてコックをほどいてみたり、アウトサイドインに振って何とか左へ出玉を出そうとしてしまいます。
この負のスパイラルによって、どんどんスライスが酷くなってしまうんですね。
シャフトが柔らかすぎてスライス
反対に、シャフトが柔らかすぎてスライスしてしまうケース。
これはヘッドスピードが速めの初心者ゴルファーに多い現象です。
自分のスイングスピードの対して柔らかすぎるシャフトを使用した場合、切り返しで起きる2回目のしなり量が必要以上に大きくなります。
上級者の場合はここでしなりが大きくなりすぎても、インパクトでシャフトの戻りを待てます。
つまり、スイングスピードを調整するなどして真っ直ぐ飛ばすことができるのです。
しかしハードヒッターの初心者ゴルファーはこうはいきません。
しなろうが何だろうが、そのままゴールまで突っ走ってしまいます。
するとインパクトゾーンでシャフトがしなり戻ることができずに、ヘッドが大きく遅れて、フェースが開いた状態になってしまうのです。
これこそがハードヒッターがスライスする原因になるのですね。
自分に合った球が捕まるシャフトの選び方
自分に最適なシャフトを見つけるには、やはりクラブフィッターに相談するのが一番です。
現在は昔と違い、高精度の計測器を有したショップがいたるところにあります。
自分でも今まで気付かなかった細かいポイントまで、確実に数値化してくれるでしょう。
それだけではここで話が終わってしまうので、私がシャフトを選定している手順をご紹介させていただきます。
私の場合は、まずはアイアンのシャフトを最適化することから始めます。
アイアンは私にとってスイングの基準となるものですから、ここが気持ちよく振れるということが大前提になります。
またアイアン(ウェッジも含めて)というのは、パターを除けば実際のラウンドで最も使用回数の多いクラブです。
その面からも、セッティングの優先順位は高くなるのです。
自分に最適なアイアン用シャフトが決まったら、その特性に近いウッド用のシャフトをクラブフィッターに紹介してもらいます。
こうすることで、パターを除いた13本のシャフト特性が揃い、スイングのタイミングも統一化されていきます。
ポイントとしては、シャフトに記載されているフレックス表示やキックポイントは参考程度に留めることです。
メーカーによって基準はまちまちですし、なんなら同じメーカーでもモデルが違うと基準も違ってきたりします。
あくまで計測器による数値、そして実打したときの「振り感」を大切にしましょう。
だから私の場合、アイアンはXフレックスでも、ドライバーはSRフレックスなんてことも普通に起こるのです。
まとめ
今回は、シャフトがしなる意味と、シャフトの硬さによるスライスの原因、そして自分に合ったシャフト選びのお話をさせていただきました。
スライスはスイングだけの原因で起こるものではありません。
道具が合っていなくても起こりえるということです。
それはとても勿体ないことです。
スイング改造は簡単ではありません。
ならば今一度ご自分のセッティングを見直して、ナイスショットの近道を模索するのもアリではないでしょうか?