まいど!
おやじのゴルフマガジン編集長の「たいしょー」です。
あなたはスイングのリズムをどのようにとっていますか?
二拍子、三拍子、、さらにはテンポの速い遅い…。
人によって様々ですよね。
でも共通するのは、毎回同じリズムを再現するなら心の中で何かを唱えるのが効果的ということ。
そこで斬っても切り離せないのが「チャー・シュー・メン」という掛け声。
今回はこの「チャーシューメンを実際に使うなら?」というポイントについて、深掘りしていこうと思います!
チャーシューメンというスイングリズムの由来
このテーマでお話するなら、その由来からお話しなければなりません。
オールドファンにはお馴染みかもしれませんが、オリジナルは「あした天気になあれ」という、巨匠ちばてつや先生による少年ゴルフ漫画からきたもの。
物語の主人公「向太陽」が、スイングリズムを取るために毎ショットで使っていた掛け声でした。
と、ここまでは有名な話なのですが、ここからはちょっとオタク知識…。
私も覚えていなかったのですが、この「チャーシューメン」という掛け声は、向太陽が最初ではなかったのです。
太陽のガールフレンドである「白石えつこ」が、スイングリズムに悩む後輩の「内山央」という少年に提案したのがきっかけ。
えつこが内山に「あなたの好きな食べ物はなに?」と問いかけ、それに内山が「チャーシューメン」と答えて、それがそのまま掛け声になりました。
それで調子を戻した内山を見て、太陽も使い出したといういきさつです。
チャーシューメンは向太陽の好物かと思っていましたが、実は後輩の内山君の好物だったのですね(笑)
そしてこの「チャーシューメン」。
原作の前に実在していたのをご存知ですか?
ちばてつや先生が、練習場のレッスンプロに取材したときのこと。
ちば先生の「初めてゴルフをやる人にどう教えるのか」との質問に、そのレッスンプロは実際にこの掛け声を使っていたとか。
レッスンプロの回答が「全てのレッスン生にチャーシューメンと教えていた」のか、「レッスン生の好物を聞いてそれを掛け声にしていた」のかは不明。
昭和のゴルフ漫画といえば、「プロゴルファー猿」か「あした天気になあれ」の2強でした。
たいしょー少年は、もっぱら「あした天気になあれ」派。
毎週連載コミックや、その後放映されるアニメを食い入るように見ていたのを思い出します^^
チャーシューメンを実際に取り入れているゴルファーは?
水面下では色々なプロゴルファーが採用しているかもしれませんが、有名なところでは「渋野日向子」プロが一時取り入れていたようです。
でもこれって解釈によっては、一気に大勢のゴルファーが対象となりそうです。
たまたま「チャー・シュー・メン」という言葉を使っているのであって、これが「イチ・ニッ・サン」だっていいじゃないですか?
リズムとテンポが一緒なら、言葉なんて何でもいいって話。
まぁこれを言ってしまったら、この記事自体が成り立たないんですけど…(笑)
チャーシューメンスイングを実践するときのポイント
さて、ようやく本題です。
渋野日向子プロも使う、このチャーシューメン。
我々アマチュアが使うなら、どこに注意すれば上手に取り入れられるのでしょうか?
原作と同じタイミングで打てるのか?
原作の向太陽によるチャーシューメンはこうです。
1)バックスイングの始動で「チャー」
2)トップで「シュー」
3)インパクトで「メーン」
あくまで漫画の世界なので真面目に考察するのも何なのですが、このまま実際のスイングに取り入れるのは個人的にはおススメできません。
これにはスイング理論の時代背景も色濃く出ていると思うのです。
漫画の連載が開始されたのは1980代初頭だったと思います。
ということは、1970代のスイング理論と使用ギアを前提としての物語なのです。
1990年代あたりまでは、
「トップで左手親指にクラブが乗ったのを確認して切り返す」
このような理論が常識でした。
これが、トップでの「シュー」の役割。
そしてそこから、「クラブは身体の正面で縦にしか動かさない」
このように振ることで鋭角な入射角となり、強いダウンブローでターフを多く取っていた時代です。
それはクラブの重心が軒並み高かった頃の常識。
このくらい上から打ち込まないと、重心がボールに届きませんからね。
しかし今では、テクノロジーの進歩により以前とは比較にならないほど低重心になりました。
そのようなクラブでは、スティープすぎるインパクトではスピン量が安定しません。
だから現代ではクラブの進歩に合わせるように、シャローなスイングが主流になりつつあります。
もっとも、あれから40年以上の歳月が流れた現代において、同じタイミングでスイングすると考えるほうが無理がありますよね?
特に気になるのは、トップの「シュー」と、インパクトの「メーン」。
あくまで個人的にはですが、スイングリズムは二拍子が最適だと思っています。
それは人間の運動として最も基本的な「歩行」と同じリズムだから。
二拍子のいいところは、テンポを変えても問題ないというところなんです。
それは拍と拍の間がひとつしかないから。
これが三拍子になると、拍の間がふたつになります。
拍が2個以上になると、それぞれの間の尺を合わせるのが難しくなり、テンポが複雑になってしまうんです。
だからトップで「シュー」を入れてしまうのは、スイングを難しくしてしまう要因になると私は考えます。
それが顕著に出るのが、ハーフショットやスリークォーター。
フルショットでは「チャー、シュー、メーン」とそれぞれ3つのポジションで十分な間がとれるでしょう。
しかし、バックスイングの途中で切り返すスリークォーターとなれば、「チャ、シュー、メーン」となるでしょう。
さらに、バックスイングがもっと短くなって全体的にコンパクトになるハーフショットでは、「チャ、シュ、メーン」てな感じです。
このように、コントロールショットのたびにリズムがバラバラになるのは如何なものかと思うんです…。
もう一つはインパクトでの「メーン」。
これをやってしまうと、インパクトを過剰に意識してしまうんです。
インパクトで余計なパンチが入ったり、手元や身体が突っ込んだり。
要するに、インパクトを点でイメージしやすくなってしまうんです。
なるべくインパクトは通過点であって欲しい…。
そんな思いから、インパクトで拍を入れるのはちょっと…、という感じなのです。
以上のことから私の中の結論は、
「原作の向太陽と同じタイミングでチャーシューメンを取り入れるのは無理」となるのです。
最初の「チャー」はどこ?
でも、少し工夫するだけで現代のスイングリズムにも十分に応用が利くのが「チャーシューメン」。
渋野選手も使っているんだから当然ですよね!
ここからは、「私がチャーシューメンのリズムを取り入れるならこうする」という、エラソーな内容となってまいります(笑)
不快に思われる方もいらっしゃると思うので、今のうちに謝っておきますm(__)m
まず最初にアレンジしたいのは、オリジナルでは原則3拍子だったリズムを2拍子にすること。
2拍目の「シュー」と、3拍目の「メーン」でスイングするのです。
では余った「チャー」はどうするか?
それは、バックスイング前の動作にあてます。
私はスイングの始動をフォワードプレスで始めます。
フォワードプレスとは、テイクバックのきっかけを作るために反対となる目標方向に少しだけ手元を動かすこと。
それと同時に、左足を靴の中で小さく踏み込みます。
これも次のバックスイングで右足へ体重を乗せるためのきっかけ作りが目的です。
この2つのプレバックスイング動作を行うタイミングが「チャー」。
この「チャー」が入ることで次の「シュー」が格段にスムーズに動くのです。
次の「シュー」はどこ?
原作ではトップのタイミングが「シュー」でした。
アレンジ型では、「シュー」でバックスイングを開始します。
リズムの取り方としては、「-」(伸ばす横棒のこと)の長さを、「チャー」と「シュー」で一緒にします。
こうすることでスイングリズムの乱れを防ぎ、次の切り返しへ移るさいに大切な、一瞬の間を作ることができるのです。
最後の「メーン」はどこ?
もう答えを言ってしまいましたね(笑)
そう、切り返しの始動が「メーン」です。
ただし、始動するのは下半身です。
決して、腕を振り下ろすことが切り返しのタイミングではありません。
左足で強く地面を真下へ蹴りながら、左腰を斜め後方へ回転させる。
この動きの開始と同時に「メーン!」と心の中で叫ぶのです。
(別に叫ばなくてもいいですが)
誤解してはならないのが「メンッ」と短く切らないこと。
短く切ってしまうと、先ほども話に出てきた「インパクトを点でイメージしてしまう」要因になるんです。
だから心の中で唱えるときは「メーン」としっかり伸ばしましょう!
どれくらい伸ばすかと言うと、切り返しの始動となる左足の踏み込みからフィニッシュまで。
左に回転を始めたら、それが止まるまで伸ばし続けるのです。
「メーン」だと足りないなら、「メーーーン!」と横棒を3本くらいに増やしましょう^^
そのくらいインパクトで止まらないということがスイングでは大事なのです。
まとめ
今回は「あした天気になあれ」の主人公、「向太陽」が唱えていた「チャーシューメン」のリズムについて、あれこれと考察してみました。
まとめると、私のように二拍子でスイングしている人にとっては「シュー、メーン」の2つだけで足りるということになります。
しかしそれだけではスイングの始動がギクシャクするので、それを補うかたちで「チャー」を入れるという感じ。
どーしても「ゴルフ漫画界のレジェンドと同じ掛け声でスイングしたい!」とお考えのかたは、今回の記事をぜひ参考にしてみてください!