ゴルフのバックスイングをゆっくり上げるは本当?自分に合ったスピードとは

スイング
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まいど!
おやじのゴルフマガジン編集長の「たいしょー」です。

あなたは「もっとテイクバックをゆっくり上げたほうがいいよ」と言われたコトありません?
これは特に初心者のころに多いと思うんです。

でもあなたは思ったハズ。
「ゆっくりって言ったって、どのくらいゆっくり上げればいいんだ?」
「自分ではそんなに速く上げている感覚はないんだけどなぁ」
「そもそも、何でゆっくり上げなきゃいけないんだ?」

そう感じたあなた、正常です!

だって、んなもん分かるワケないよね?
こちとらゴルフなんて昨日今日始めたばかりなんだから。
ちょっと俺より上手いからってエラソーに!

ここまで不満が溜まっているかは置いておいて、確かに言われたほうは「どうゆっくり」上げていいかなんて分からないはず。
また、アドバイスした側も適切なテイクバックの速さを理解しているのかは怪しいもの…。

今回は、私が考える適切なバックスイングの速さについてのお話です。
これも人によって意見がマチマチなので、「考え方のひとつ」として参考にしてもらえたら嬉しいです!

テイクバックの意味と役割を考える

ではあらためて、テイクバックの意味とか役割とか考えなおしてみましょう。
テイクバックというとゴルフの専門用語っぽくなるから、ここではバックスイングという言葉に置き換えましょう。

私が思うバックスイングの役割は、以下の2つが考えられると思っております。

飛距離を伸ばすため

バックスイングはゴルフに限らず、他のあらゆる球技で見ることができます。
野球、テニス、卓球、etc…。

道具を使わない競技でも、例えばサッカーのシュートなんてそうですよね。
蹴り足を大きく後ろに振り上げる。
これもある意味バックスイングと言えなくもない。

これら共通の目的は何でしょう?
私は反動を得るためだと思ってマス。

バットやラケット、そして自分の蹴り足の重さを活かし、振り子のごとく後方から反転させて、パワーを倍増させて前方へ解き放つ

この反動を得ることが、バックスイングの最大の意味と役割だと思うんだけど如何でしょう?

 

最も分かりやすいのはアーチェリーとか弓道

これらの競技にバックスイングが無いのはナゼ?
それは単純な理由で、バックスイングをすると方向がブレるから。

弓道でゴルフみたいに「イチッ、ニッ!」なんてテンポで矢を放ったら、どこに飛んで行くか分かんないですよね?
だから弓道では弓をフルに引いた状態で静止して、自分の心が整った任意のタイミングで矢を放つ。
だってそれが最も正確に矢を飛ばせるからなんですね。

じゃあゴルフはどう?
正確性だけ突き詰めれば、テイクバックなんか必要ないのでは?

トップの位置で静止したところがアドレス、そこからいきなりダウンスイングみたいな。
行ったり来たりの往復の必要がなく片道だけの動きなので、正確性を考えるならこちらの方がいいはずですよね。

でも実際には、そんなことしているプロゴルファーは一人もいない。
それじゃあ満足する飛距離を得られないことを分かっているから。

タイミングと方向性を得るため

実はバックスイングの役割はパワーを得るためだけじゃないんです。
もうひとつの役割は、タイミングと方向性を得ること。

「タイミングってのは何となく分かるけど、さっきバックスイングは方向性が悪くなるって言ってたじゃん!」

ご指摘ごもっとも!
ここがゴルフの特殊なところで、ゴルフクラブというその道具の特徴を考えなければならないのです。

ゴルフクラブというのは棒状(シャフト)の先端に重いかたまりが付いていて、さらにはそのシャフトが「しなる」という特徴があります。

ここが弓道と全くちがう点で、あえて例えるならばカウボーイが使う「牛を捕まえるロープ」のほうが近いかも。

現代でもカウボーイがロープをぶん回しているかは置いておいて、ロープは全体的にしなり、先にはオモリとなる「輪っか」が付いていますよね。

そういう形状の道具は、止まっている状態からよりも動かしている状態から動作にはいるほうが、タイミングも方向性もコントロールが効くんです。

だからカウボーイは、いつでも放てるように常に頭の上でクルクルとロープを回していると思うんです、たぶん。

 

で、ここからが大事なとこなんですけど、ロープを投げる前に後ろに引くのは、反動を利用して遠くに飛ばすためだけじゃない。

ロープが後ろから前の動きに変わる切り返しの瞬間、先端の輪っかの重みを感じます。
この重みを感じることで、輪っかが現在どこにあるのかを感じることができて、どこに放り投げるのかをコントロールできるのです。

 

ゴルフスイングの切り返しの時にも、これを同じことが起きていると私は思ってます。
だから、切り返しの瞬間のクラブヘッドの重みを感じるためにテイクバックは存在するというのが私の意見。

これが冒頭で言った「反動を得るため」という意味なのです。

なぜテイクバックをゆっくり上げろと言われるのか

テイクバックの役割は分かった。
じゃあ何で「もっとテイクバックをゆっくり上げなさい」と言われるのでしょう?

私が見てきた経験からは、次のようなケースが考えられます。

クラブが暴れるほど打ち急いでいる

先ほどの弓道の例のように、ダウンスイングのプレーンをなぞるだけならテイクバックをしない一方通行のほうが正確です。
でもそれは現実的ではないので、やっぱりテイクバックが必要となることは先述のとおり。

大事なのはダウンスイングでのスイングプレーンが正しいかどうか。
それだからと言ってテイクバックのプレーンが大きく外れて良いという訳ではない。
単純に、生きと帰りが同じところを通ったほうが再現性が高くなりますからね。

で、あまりにスイングを急ぎすぎて、このプレーンから大きく外れてしまうことがあります。
要するにクラブがバタバタと暴れるほど乱暴な上げ方になってしまっている。

これを諌めるために「ゆっくり上げろ」と言われることが多いんです。

シャフトがしなりすぎるほどテンポの早いスイングをしている

こちらは番外編なんですけど、スイング中にシャフトがグワングワンしなりすぎてしまう人の場合。
だからクラブをしならせすぎない程度のスピードでゆっくり上げなさいということですね。

こうなる原因は以下の2つが考えられそう。

・シャフトが負けてしまうほどの怪力の持ち主
・自分に合わない軟らか過ぎるシャフトを使っている

いずれも自分のパワーとクラブのスペックがマッチしていないことが原因。
だからと言って、ヤワなクラブに自分を合わせる必要なんてない。
ここは素直に自分に合ったクラブに買い替えることをおススメします!

自分に合ったテイクバックのスピードとは?

さて、自分に合ったバックスイングのスピードはどうやって測るのでしょう?

昔から言われているのはこんなこと。
「歩くリズムが速い人はスイングリズムも速い。遅い人はその逆」

まあ確かに一理はあると思います。
それを感じるのは、アドレスした時の左右の足踏みのとき。

アドレスではバチーッと固まってはいけない。
一度完全に固まってしまったら、再始動するのは大変ですから。

だからプロや上級者は、一見固まっているように見えるアドレスでも、必ずどこかを動かしているんです。

そして多くのゴルファーが取り入れているのは、左右の足をわずかに交互に踏むこと。
これ私もやっていて、スイングの始動がスムーズになるからとってもおススメ。

で、歩くスピードが速い人は、この足踏みも速い傾向があり、遅い人はその逆になります。
これがさっきの格言につながってるんじゃないかなと、最近になって思うんです。

 

でもゴルフスイングって、そんなに単純じゃないですよね。
平常心で歩いているテンポと、いざボールを前にしてプレッシャーの掛かる場面でのテンポが同じってのも無理があるってもの。

ここで大事になってくるのが、「トップでクラブが乗る」感覚が得られるかどうか。
自分の素のテンポで振ったときに、この感覚を得られるようなシャフトに巡り合うしか無いんじゃないいでしょうか。

だからプロや上級者はシャフトにこだわる。
ヘッドは何でもいいけどシャフトだけは変えないという猛者もいるくらいですからね。

まとめ

今回はテイクバックのスピードについて、私の考えをお話させていただきました。

結論は「速すぎてもダメだけど、遅すぎてもダメ」。
速いとクラブが暴れるし、遅いとトップでヘッドの重みを感じにくくなります。

切り返しでクラブが乗って適度にシャフトがしなるのが理想のテイクバックのスピードだと思います。

バックスイングのスピードやテンポに悩んだら、ぜひこの言葉を思い出してみてください。